太田市立沢野中央小学校いじめ防止基本方針  平成26年3月1日策定 
                                    平成30年9月18日改訂

1 いじめの定義といじめに対する本校の基本認識

 (いじめの定義)
児童生徒に対して,当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等,当該児童生徒と一定の人的関係にある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって,当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているものと定義する。(「いじめ防止対策推進法」より)

上記の考え方のもと,本校では全ての職員が「いじめは、どの学校・どの学級でも起こりうるものであり、いじめ問題に全く無関係ですむ児童はいない。」という基本認識にたち、全校の児童が「いじめのない明るく楽しい学校生活」を送ることができるように、「いじめ防止基本方針」を策定する。
いじめ防止のための基本姿勢として、以下の5つのポイントをあげる。
@ いじめは人権侵害であり、いじめを許さない、見過ごさない雰囲気づくりに努める。
A 児童一人一人の自己有用感を高め、各児童の居場所づくりに努める教育活動を推進する。
B いじめの早期発見のために、様々な手段を講じる。
C いじめの早期解決のために、当該児童の安全を保証し、周囲の教職員が「全力で守る」ことを被害児童に伝えるとともに、学校内だけでなく各種 団体や専門家と協力をして、解決にあたる。
D 学校と家庭が協力して、事後指導にあたる。

2 いじめの未然防止のための取組
(1)  学級における取り組み
 @ 児童一人一人が認められ、お互いに相手を思いやる雰囲気づくりに取り組む。また、教師一人一人が分かりやすい授業を心がけ、基礎・基本の定着を図るとともに学習に対する達成感・成就感を育て、自己有用感を味わい児童が安心していられる居場所づくりに努める。
A けんかやふざけ合い等の軽度と思われそうな事例であっても、被害者の感情等にも着目して、いじめに該当するか総合的に判断する。
 B 授業におけるめあてを明確にし、見通しをもって学習に取り組める発問や指導方法を工夫する。
 C 道徳の時間には命の大切さについての指導を行う。また、「いじめは絶対に許されないことである」という認識を児童がもつように、教育活動全体を通して指導する。そして、見て見ぬふりをすることや知らん顔をすることも「傍観者」として、いじめに加担していることを理解させる。
 D いじめ等は学校生活の中より、普段の生活の中で起こることが多い。特に、SNS等の利用により表面に出で来ない。そのために、ネットのマナーや著作権等の情報教育について道徳等で取り上げ、人権意識の向上を図る。
 E 学力向上を推進するために、朝学習の充実に努める。また、児童が主体的に取り組める学習活動や自主学習プリントの工夫、家庭学習の手引きの作成を行う。
(2) 児童会を中心とした学校全体における取り組み
 @ あいさつ運動としての「スマイルハイタッチ運動」の実施
   毎月1日、15日の朝と毎週月曜日の放課後に、各委員会の持ち回りによるスマイルハイタッチ運動を実施する。
A 児童会本部役員による児童集会の実施
  「えがお集会」を各学期に1回実施し、いじめゼロを目指した活動を通して人権意識を深める。
 B わくわくタイムにおける異学年交流の充実を図る。
(3) 人権学習月間における取り組み
 @ 人権集会や人権講演会等において、人権の意味を知り、人権尊重の気持ちを高める学習を行う。
 A 学級活動や道徳の時間において、人権に関するビデオを鑑賞したり、人権に関する学習を行ったりすることで、いじめについて考える活動を行う。
(4) 保護者や地域への啓発
 @ 児童や保護者が悩みを相談できるよう、スクールカウンセラーの相談日や太田市教育研究所やホットライン等の相談窓口の周知を図る。
 A 携帯インターネット問題講習会を実施し、保護者に向けた携帯インターネット問題についての啓発活動を行う。
B 家庭での子供の変化を毎学期「保護者のチェック表」等を利用して観察し、いじめの早期発見・解決に努める。
 C 学校だよりや学年学級通信を利用し、いじめについての情報や学校生活の様子を伝え、いじめについての周知を図る。
D 社会全体で子供を見守り育むため、学校支援隊や土曜スクール活動を推進する。
 
3 いじめの早期発見の取組
(1) いじめの早期発見のために,様々な手段を講じる。
@ 「いじめはどの学校でも,どの児童にも起こりうるものである。」という基本認識に立ち、
全ての教員が児童の様子を見守り日常的な観察を丁寧に行うことにより、児童の小さな変化を見逃さない鋭い感覚を身に付けていくことが大切である。
A おかしいと感じた児童がいる場合には学年や生徒指導委員会等の場において気付いたことを共有し,より大勢の目で当該児童を見守っていく。
B 様子に変化が見られる場合には、教師が積極的に働きかけを行い児童に安心感をもたせるとともに問題の有無を確かめ、解決すべき問題がある場合には、教育相談やカンセリングを行い、当該児童から悩み等を聞き、問題の早期解決を図る。
C「友だちアンケート」を毎月実施するとともに毎学期一度は保護者にもいじめ等がないか確認アンケートを実施し、児童の悩みや人間関係を把握しいじめの早期発見やいじめゼロの学校づくりを目指す。
 D 保護者対象の「学校改善アンケート」を年2回実施し、保護者からのいじめに関する情報を得る。

 4 いじめに対する措置
(1) いじめの早期解決のために,全職員が一致団結して問題の解決
@ いじめ問題を発見したときには、学級担任だけで抱え込むことなく、校長以下全ての教員が対応を協議し、的確な役割分担をしていじめ問題の解決にあたる。
A 情報収集を綿密に行い、事実確認をした上で、いじめられている児童の身の安全を最優先に考え、「全力で守る」ことを伝え、いじめている側の児童に対しては毅然とした態度で指導にあたる。
B 傍観者の立場にいる児童たちにもいじめているのと同様であるということを指導する。
C 学校内だけでなく各種団体や専門家と協力をして解決にあたる。
D いじめられている児童の心の傷を癒すために、スクールカウンセラーや養護教諭と連携を取りながら、指導を行っていく。
(2) 家庭や地域、関係機関と連携した取組
@ いじめ問題が起きたときには家庭との連携をいつも以上に密にし、学校側の取組についての情報を伝えるとともに、家庭での様子や友達関係についての情報を集めて指導に生かすこととする。決して学校内だけで問題解決をするようなことはしない。
A 必要であれば、教育委員会(教育研究所)や所轄の警察署、児童相談所等の諸機関との連携を図って解決策を探っていく。


5 いじめ防止対策のための組織
(1)学校内の組織
 @「運営委員会・職員会議」
  運営委員会や職員会議において時間を設け、各学年の児童の様子や問題行動の情報交換を行うことで、全教職員が問題行動についての共通理解をする。
A「生徒指導委員会」
月1回、友だちアンケート実施後に部会をもち、問題傾向を有する児童について、現状や指導についての情報の交換を行い、共通理解の下指導に当たれるようにする。
構成員[校長、教頭、生活指導主任、各学年代表、養護教諭、特別支援コーディネーター、関係する学級担任]
B「いじめ防止対策委員会」
いじめ防止に関する措置を実効的に行うため、校長、管理職、生徒指導主任、教育相談担当、養護教諭、当該学級担任、特別支援コーディネーター、スクールカウンセラーによるいじめ防止対策委員会を設置する。必要に応じて委員会を開催する。
  C 「教育相談部会」
   いじめやそこまで行かなくても悩んでいる児童の実態の把握と共に、その子を支える体制作り、また、保護者との連携を図るために、月1回以上(生徒指導委員会と兼ねることもある)開催する。
(2) 家庭や地域,関係機関と連携した組織
緊急な生徒指導上の問題が発生した場合は、その場の適切な処置をとるとともに教頭に報告する。また、状況によっては緊急生徒指導委員会を開催し敏速な対応を行う。教頭は、校長に報告し、校長の指示により敏速に支援体制をつくり、対処する。緊急を要する問題行動が発生したときには、緊急生徒指導委員会を開催する。
<緊急生徒指導委員会メンバー>は以下の通りである。
校長、教頭、生徒指導主事、PTA会長、太田警察署、主任児童委員(2人)、地区区長会長、地区青少年健全育成推進員連絡協議会会長


6 インターネット上のいじめへの取組
  携帯電話が子ども達の間にも急速に普及し、子ども達の携帯電話のメールやインターネットの利用が増加しており、それに伴い、インターネット上の学校非公式サイトや掲示板等を利用して、特定の児童生徒に対する誹謗・中傷が行われるなどの「ネット上のいじめ」という新しい形のいじめ問題が生じている。
(1)未然に防止するための取組
 @ 情報モラル教育の充実と教員の指導力の向上
携帯・インターネット問題講習会に教員が参加し、情報モラルに関する指導法の充実・改善に努めるとともに、児童や保護者に対し情報モラル教育を実施する。
 A 学級活動や道徳等の時間に、掲示板等に誹謗・中傷の書き込みを行うことは、いじめであり、決して許される行為ではないことを児童に伝え、犯罪であることを指導する。
B 外部講師によるインターネット安全教室や情報モラル教室を利用し、児童へインターネットやライン等安全に利用する意識を高める。
C 保護者に対しても、学級懇談会の場や講習会等を利用して、携帯電話やインターネットの危険性を伝える。
(2)早期発見のための取組
 @ 校内研修や職員会議等において、「ネット上のいじめ」について取り上げるなどして、子どもたちの携帯電話の利用に関する実態について理解を深め、早期発見につなげる。
 A 友だちアンケートや児童からの情報を収集することで、早期発見に努める。
B 家庭や地域、教育委員会、関連企業等と連携して、「ネットパトロール」を行う。
(3)いじめに対する措置
 @ 被害児童への対応は、スクールカウンセラーを利用するなど、学校における教育相談体制の充実を図り、きめ細かなケアを行い、いじめられた子どもを守る。また、毎日の面談の実施や、緊急連絡先の伝達を行うなど、被害児童の立場に寄り添った支援を行っていく。
 A 加害児童への対応は、加害者が軽い気持ちで書き込みを行ったり、加害者自身が悩みや問題を抱えていたりする場合などがあるため、個別の事例に応じて、十分な配慮のもとでの指導を行う。また、決して許されないものであり、粘り強い指導を行うとともに、加害児童に対するケアも行う。
B 全校児童への対応は、児童への指導のポイントをしっかりおさえ、全校児童生徒への指導を行う。また、日頃から情報モラル教育を学校全体として行い、子どもたちが「ネット上のいじめ」の加害者にも被害者にもならないように指導を充実させる。
C「ネット上のいじめ」が児童や保護者等からの相談などにより発見された場合は、児童生徒等へのケアを行うとともに、被害の拡大を防ぐために、書き込みの削除を迅速に行う。
  D 保護者に対しては、事実を正確に伝え、今後の対応について話し合う。加害・被害両児 童の保護者に携帯電話の所持やインターネット利用の危険性を伝え、携帯電話等を持たせないよう協力してもらう。また、利用の際の管理について協力してもらう。

7 重大事態への対処
(1)重大事態の認識
@ いじめの重大事態とは、児童の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあるときやいじめにより児童が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認められるときである。
A 児童や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときを重大事態と認識する。
 (2)組織としての対応(調査・報告等)
@ 学校の下に、重大事態の調査組織を設置する。(第三者の専門的知識や経験を有した人)
A 調査組織で、事実関係を明確にするための調査を実施する。
   ・いじめ行為の事実関係を可能な限り網羅的に明確にする。たとえ調査主体に不都合なことがあったとしても事実にしっかりと向き合おうとする姿勢が重要である。
B いじめを受けた児童及びその保護者に対して情報を提供する。
   ・調査により明らかになった事実関係について情報を適切に提供する。関係者の個人情報には十分に配慮する。
C 調査結果を教育委員会へ報告する。
   ・いじめを受けた児童又はその保護者の所見をまとめた文書の提供を受け、調査結果に添える。
D 調査結果を踏まえた必要な措置を行う。
E 児童が自殺予告をした場合は、校長はすぐに教育委員会に報告するとともに、運営委員会等でその後の具体的な対応について検討する。